Infosysタスクマイニングツールを活用して業務オペレーションを数値化。調達業務のハイバリュー化に向けて、具体的で、実現性のある業務改善提案。
より根本的な改革の実現のために、従来の定性的な感覚論に加え、定量的な採取データ分析結果を用い、お客様とHIPUS調達専門者が協同で、最適な改善ポイントと時間軸を意識したフェーズの計画立案を行いました。
会社名
株式会社 日立製作所
日立Smart Transformation Project
業種
電機メーカー
左から、Head of Global Transformation Operations, Smart Transformation, Hitachi Ltd.坪田 信一 様、HIPUS Consulting & Solution Senior Director 藤瀬 智央 ※所属部局は取材時点のものです。

不安定な世界情勢の変化にも揺らがない、強い組織を再構築する。

日立Smart Transformation Project様は、日立グループで取り組まれている構造改革プロジェクトです。通称「スマトラ」と呼ばれるこのプロジェクトでは、サプライチェーンとの取引、受注から製造、サービスまでの一連の業務プロセスの見直しなどを通じ、コスト競争力を高めるとともに、利益創出を強化することを1つの目的として立ち上げられました。
日立Smart Transformation Projectが立ち上がる以前は、「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」ことを企業理念に掲げ、その事業運営スタイルを継続されてきましたが、リーマンショックを発端とする世界的な金融危機の訪れを機に、大胆な経営改革を実行されてきたという背景があります。
このような背景から、事業部門単位の経営から部門を横断もしくは部門をまたいだ事業運営を、各顧客に向けて対応する事業スタイルへの変革、また、キャッシュを生み出すプロセスへの変革を同時に進めるため、今までの仕事のやり方や、日頃の慣習や決まりごと、更にはデータの持ち方や伝達の仕方をもう一度見直す段階を迎えられていました。
そこで、より根本的な改革の実現のために、従来の定性的な感覚論に加え定量的な採取データとその分析結果を用い、最適な改善ポイントと時間軸を意識したフェーズを計画したいというご要望をいただきました。

従来の個人申告ベースではなく、デジタル活用の業務可視化をしていくことで、より本質的な改革に近づける。

グローバル競合他社は、調達プロセスを標準化し効率的に運営しつつ調達リソースをS2C戦略に費やしている状況です。そのグローバル競合他社に比肩する調達力の具備に向けて、調達プロセスを標準化し、効率的に運営しつつ、現有リソースをハイバリューシフトし、原価低減の強化および調達保全に対応していく必要があります。そのためにも、調達プロセスの標準化と効率化をリアルに進め、従来の定性的な業務可視化ではなく、デジタル的に業務を数値化していくことが求められます。

そこで、Infosysのタスクマイニングツール(AssistEdge Discover)を採用し、調達業務の分析と標準化・効率化ソリューションを提供しました。
具体的には、調達業務をヒアリングした上で1人1人の作業を測定、各業務工程とそれぞれの工数を可視化し、業務改善提案を実施しました。

業務オペレーションをデジタル的に可視化し、より根本的な業務改革が可能になる。

従来の業務改革コンサルティングでは、コンサルタントによるヒアリングが行われ、個人の申告による業務の可視化・分析が土台となっていました。しかしながら、実際に測定してみると、データ上では今回のプロジェクトによって各社員の業務にバラツキがあることが判明。個人の申告のみでは明らかにできないことがあると判明したことから、調達プロセスの標準化と効率化をリアルに進めたいという当初のご要望に対し、具体的なご提案が可能になっています。

日立Smart Transformation Projectの役割がコスト構造改革であることも踏まえると、特に今回のプロジェクトでは、調査測定・分析のアウトプットとしてデータ根拠のあるコスト改善提案が求められます。ですから、単にデジタルツールを活用して終わりではなく、コンサルタントによるヒアリングも重ね、より正確な分析データをご提示しています。それにより、デジタルを活用し数値で証明されたからこそ、今後リアルに何を変えるべきか自ずと見えつつあります。

企業担当者からのメッセージ

調達専門会社として有する豊富な経験と、高度な分析や提案に期待します。

今回対象としているトランスフォーメーション領域は、御社が兼ねてより手掛けられている当社の調達部門であり、当社特有の事情を把握された専門家が多くいらっしゃいます。それ故に、対象部門に寄り添ったコンサルティングやコンサルティング内で行われる傾聴から得る適切な解を得ることには長けていらっしゃると感じています。
加えて、当社以外に対して同様の業務をHIPUSにて実施されていることで得ている様々なノウハウを、本プロジェクトに適用していただけている点も御社にご支援いただくことのメリットのひとつと考えます。

可視化されたデータから、業務の精度向上や組織力向上を目指したい。

今回の結果からは、日頃なかなか直視出来ない事実から、自分達の無理ムダを具体的にデータとして知るきっかけになりました。同時に、それらを改善することで、本来実行すべきことや業務の精度向上に時間を使うことが出来るようになる等、改善を図ることができると反応があります。
またマネージャ層にとっては、個々人の業務効率と各種既存ツール、各ステップに対する実施タスクとの関係性を知ることにも繋がり、組織力向上を思考する良いキッカケにもなるとの意見も多く聞こえてきています。

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Consulting & Solution
Senior Director
藤瀬 智央
担当コンサルタントメッセージ
具体的な数値に表すことで業務を可視化するメリットは、業務の可視化・効率化による業務改革という側面もありながらも、従来の業務ノウハウといった業務の継承を行えることです。調達業務は、他部門・部署に比べ属人化しやすい領域ですが、今後の労働人口の減少やグローバルの中でのプレゼンス力向上を考慮すると、業務そのものを可視化していくことはますます重要になっていくと考えます。